Solanaの供給構造を読み解く:FTX残高とクジラ、企業・ETF/ETP保有、高ステーキング率

2025年09月24日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)
2025年9月現在、Solana($SOL)は200ドルを超えて取引され、市場のリスク志向を映し出す存在となっています。一方で、価格の裏側には「誰がどれだけSOLを握っているか」という資金構造があり、これを理解しなければ値動きの背景を正しく捉えることはできません。本稿では、Solanaの供給状況と潜在的なリスクを整理し、価格の動きを支えるメカニズムを短時間で把握できるようにまとめました。

全体像:供給とステーキング

Solana の総供給量は約 6.1 億 SOL。そのうち 約 67% がステーキングされています。これは Ethereum の約 40% を大きく上回り、L1 ネットワークの中でも突出して高い水準です。
  • メリット:売却可能な流通量が限られるため、需給バランス上、下値が支えられやすい
  • デメリット:流動性が薄くなるため、大口売買が価格に直結しやすく、急変動を招きやすい
この「高ステーキング率」は、Solana 市場を特徴づける基本的要素のひとつです。

主要プレイヤーの動向

1.  バリデータと集中度

図1.SOL総供給量に占めるステーキング比率(出典:Solscanをもとに筆者作成)
Solana のステーキングは数千のバリデータに分散されていますが、上位 10 バリデータ(Binance、Helius、Jupiter、Figment、Galaxy など)が総供給の約 15% を担っています。
過度な独占構造ではないものの、ネットワークの安定性やガバナンスに一定の集中リスクが残ることは留意すべき点です。

2. DeFiとLST

図2.Solana DeFi 上に存在する SOLの割合(出典:DeFillamaを参考に筆者作成)
Solana DeFi の TVL は約 5,300 万 SOL。ただしその多くは JitoSOL、mSOL などの LST(ステーキングの証券化トークン)であり、新たにロックされた資金というより既存ステークの派生表現です。TVL の数値をそのまま「資金流入」とみなすのは誤解を招きやすく、実態を読み解くには分解が必要です。本稿ではホルダー構造に焦点を置くため、この内訳の詳細分析は割愛します。

3. 上場企業保有量・ETF/ETP

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