近年、Solanaブロックチェーンが再び注目を集めており、その中でも特に、Ethereumエコシステムで成功を収めたWeb3プロジェクトが、相次いでSolana上への拡張や移行を進めていることが話題の一つとなっています。例えばDEXとして有名なPancakeSwapは、先日Solana上でv3流動性プールの提供を開始し、Solanaに対応するマルチチェーン戦略を本格化させました。また、FluidやVirtuals ProtocolといったプロジェクトがSolana対応を発表したり、UnlonelyのようにBaseからSolanaへのチェーン移行を決断するケースも登場しています。こうした潮流は、Solanaのエコシステム拡大に直結するものであると同時に、こうした有力プロジェクトの参入は、Solana上の利用者増加やユースケース多様化につながり、ネイティブ通貨SOLへの需要と市場の評価を押し上げるポジティブな要因になると考えられます。

こうした背景を踏まえて本レポートでは、2024年以降にEthereumからSolanaへの拡張を行った代表的なWeb3プロジェクト事例を振り返りつつ、それらプロジェクトの概要と動向を整理します。さらに、最後の章では「なぜ今EthereumからSolanaへの拡張が増えているのか、その背景にある意義」について、筆者の私見を交えながら考察します。Solanaに投資する個人投資家の皆様にとって、これらの動きがSOL価格に与えうるポジティブな影響についても踏まえ、トレンドを読み解いていきたいと思います。

まず本章では、EthereumエコシステムからSolanaエコシステムへの拡張を発表・実行した主なプロジェクトを紹介しながら、それぞれのプロジェクトの概要と、Solana対応に関する動きを概観していきます。