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トランプが当選をした場合のテクノロジー・金融・暗号資産業界におけるそれぞれのシナリオパターンと論考

2024年07月19日
この記事を簡単にまとめると(AI要約)

目次

  • 前提
  • テクノロジー業界全般
  • 金融業界全般
  • 暗号資産業界全般
  • 総括

前提

トランプ前大統領が暗殺未遂され、その後同氏が力強さを見せたことで、氏の当選確度が高まっています。
本レポートを執筆している時点の世論調査では、トランプ氏支持率はバイデン大統領を2ポイント上回るに留まりますが、予測市場ではトランプ当選に対してより大きく見込んでいます。また株式市場ではトランプ当選を見込むトレードも行われるようになっています。
今回は氏が当選した場合における影響を、HashHub Reserech読者が関連性が高いであろうテクノロジー業界全般・金融業界全般・暗号資産業界全般に対してシナリオ分けを試み、筆者の私見を織り交ぜます。

テクノロジー業界全般

最近になってトランプはテクノロジー業界の支持を協力に取り付けています。代表的な人物としては、イーロン・マスク、ピーター・ティール、a16zの創業者、オラクルのCEOなどです。また副大統領候補に指名されたバンスは、ベンチャーキャピタリストのキャリアを持っています。彼はピーターティールのファンドで働いていた経歴を持ちます。
トランプが大統領になった場合、テクノロジーセクターへの影響はポジティブに見られますが、実際には状況はより複雑です。米国の株式市場で相当部分を占めるテクノロジー企業の代表格であるGAFAへの風当たりは強いです。今回の選挙で、ビッグテックの幹部は完全に静観していますが、やはりこれらの企業のイメージは民主党寄りのイメージを持ちますし、トランプと良い関係を築くには若干のハードルがあるだろうと考えられます。
加えて副大統領候補のバンスは、テクノロジー業界出身でも、ビッグテックの解体を支持する人物です。ビッグテックがより小規模のベンチャーの競争を阻害していると言います。トランプがこの考えを取り入れた場合、相当な波乱が想定されます。これらを考慮した場合、テクノロジー業界にはポジティブな影響もあれば、ネガティブな影響もあるというのが実際であると言えます。
GAFA解体(特にやり玉にあげられるのがGoogle親会社であるAlphabetです)が実際の争点になった場合、リアクションとしては株価に相当な影響があり、おそらく下落リアクションが起きるはずです。時価総額が巨大なだけにマーケット全体にインパクトがあるでしょう。
ただし過去にAT&Tが分割された事例に学ぶのであれば、分割されたとしても、企業のファンダメンタルズを完全に破壊するものでもなく、また株主資本を必ずしも毀損するものでもありません。AT&Tの場合は、分割後の持ち株は、元のAT&Tの株式に基づいて、7つの地域会社(Ameritech、Bell Atlantic、BellSouth、NYNEX、Pacific Telesis、Southwestern Bell、US West)の株式として配布されました。株主は分割後の各企業の株式を受け取り、元の投資価値を保ちながら新しい成長機会にアクセスできるようになりました。これらの企業はその後、買収などもされていますが、配当込みで平均8-9%を実績ベースで生み出しました。
筆者は個人的に5-10年程度の時間軸で見れば、ビッグテックの分割は米国民の世論も追い風となり、実行される可能性は少なからずあると考えています。AT&Tの事例を見ても、米国産業界に人材と資源の流動性をもたらしたことは事実であり、投資家も一定のリターンを得られたことも踏まえると、どこかの時点で受け入れる未来なのかもしれません。バンス副大統領が現実になると、この争点を加速させる可能性が潜在的にあります。
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