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Harmonyの概要 シャーディングを活用した高速レイヤー1

2022年01月15日

目次

  • 前提
  • Harmonyの概要
  • 総論

前提

本レポートではシャーディングによる高速トランザクションを実現するレイヤー1ブロックチェーンである、Harmonyの概要を解説します。
Harmonyは2017年初頭から開発されているEVM互換のレイヤー1スマートコントラクトプラットフォームで、Binanceの後援をうけて2019年5月にBinance LaunchpadにてIEOを行っています。同時期にHashkeyを初めとした7つのVCから1,800万ドルの資金調達もしています。
CEOのStephen TseはMicrosoft Research、Google、Appleに所属しており、ペンシルバニア大学でセキュリティプロトコルとコンパイラ検証のPh.Dを取得しています。CTOのRongjian Lanも同じく元Googleのエンジニアです。他にも元Amazonのチーフエンジニアや元Tezosのオペレーションディレクター等、優秀な人材が多く集まっています。

Harmonyの概要

コンセプト

パブリックブロックチェーンのトリレンマ(Scalability、Decentralization、Security)を解決したソリューションを提供するために、シャーディングを採用したブロックチェーンとして開発されたのがHarmonyです。シャーディングというのは、ネットワークをシャード(破片・かけら)に分割し、それぞれに負荷を分散させることでネットワーク全体の処理性能を高速化させるという手法のことを言います。
具体的に、ホワイトペーパーにおいてHarmonyは以下の点で優れているとしています。
・Fully Scalable
シャーディングを利用したブロックチェーンには、例えばZilliqaのように通信やトランザクションの検証をシャードで行うものがあります。Harmonyの場合はブロックチェーンのStateもシャード化を行う(状態保存のストレージもシャードごとに分割する)為、スケーラブルになります。
・Secure Sharding
シャーディングを行う際、定期的(1エポック毎)にランダムにノードを割り振るためシャードに対しての攻撃を困難にします。
・Efficient and Fast Consensus
PoSに基づいているため、エネルギー効率が高くなります。また、PBFT(Practical Byzantine Fault Tolerance)の改良型であるFBFTをコンセンサスアルゴリズムに採用しているため、高速で合意形成可能です。
・Adaptive-Thresholds PoS
ネットワークに参加するためのステーキング量は、悪意のある参加者が一つのシャードに力を集中できないように、かつ小規模なステーカーが参加出来るように調整されます。
・Scalable Networking Infrastructure
RaptorQの使用により、シャード内やネットワーク全体にブロックを高速で伝播させることが可能です。またシャードとノードのマッピングを行い、効率的な通信をおこなうKademliaルーティングを採用することで、シャードの数に応じて対数的にスケールするシャード間トランザクションを実現します。
・Consistent Cross-Shard Transactions
シャード同士が直接通信するクロスシャードトランザクションをサポートします。
以上の特徴により、分散型経済を何十億もの人々に提供できるブロックチェーンシステムとしています。
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※免責事項:本レポートは、いかなる種類の法的または財政的な助言とみなされるものではありません。


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